帯状疱疹ワクチンついて教えてください。
1.帯状疱疹ワクチンの種類は何がありますか
ワクチンには2種類あります。
2.ワクチンは2種類ありますが、違いは何ですか?
生ワクチンである「ビケン」は、毒性を弱めて病原性をなくしたウイルスを原材料として作られます。
体内で弱毒化されたウイルスが増殖して免疫を高めるため、接種回数が少なくて済みます。皮下に注射します。
組換えワクチンである「シングリックス」は、感染する能力を失わせたウイルスを原材料として作られます。
生ワクチンに比べると1回の接種では生み出される免疫力が弱いため、2回の接種が必要です。筋肉内に注射します。
3.帯状疱疹のワクチンを受ける必要はありますか?どのような効果があるのですか。
接種は強制ではありません。
帯状疱疹は、過去に水痘にかかった時に体の中に潜伏した水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化することにより、神経支配領域に沿って、典型的には体の左右どちらかに帯状に、時に痛みを伴う水疱が出現する病気です。
合併症の一つに皮膚の症状が治った後にも痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」があり、日常生活に支障をきたすこともあります。
ワクチンを接種することで帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛の発症をある程度予防できるとされています。
加齢により免疫が低下すると発症しやすくなるため、現在の体調や基礎疾患等も踏まえご検討ください。
4.より効果のあるワクチンはどちらのワクチンですか?
国によるワクチンの予防効果は以下のとおり認められています。
・生ワクチン
接種後1年時点:6割程度の予防効果
接種後5年時点:4割程度の予防効果
接種後10年時点:効果について未評価
・組換えワクチン
接種後1年時点:9割程度の予防効果
接種後5年時点:9割程度の予防効果
接種後10年時点:7割程度の予防効果
5.予防接種を受けられない人はいますか?
生ワクチンのビケンは、免疫不全状態の人や免疫抑制の治療を受けている人などは接種ができません。
予防接種は、明らかな発熱がある場合のほか、診察をした医師が接種すべきでないと判断した場合は接種を受けることができません。体調の良いときに受診し、持病やワクチンについて医師によく相談して接種を受けてください。
6.ワクチンの副反応はどのようなものがありますか
ワクチンを接種後に以下のような副反応がみられることがあります。また、頻度は不明ですが、生ワクチンについては、アナフィラキシー、血小板減少性紫斑病、無菌性髄膜炎が、組換えワクチンについては、ショック、アナフィラキシーがみられることがあります。
〇主な副反応の発現割合
・生ワクチン
70%以上:―
50%以上:注射部位の発赤
10%以上:注射部位のそう痒感・熱感・腫脹・疼痛・硬結
1%以上:発疹、倦怠感
・組換えワクチン
70%以上:注射部位の疼痛
50%以上:注射部位の発赤、筋肉痛、疲労
10%以上:注射部位の腫れ、胃腸症状、悪寒、発熱
1%以上:痒み、倦怠感、全身疼痛
7.他のワクチンとの同時接種・接種間隔について教えてください
生ワクチン・組換えワクチンのどちらも医師が特に必要と認めた場合は、インフルエンザワクチンや新型コロナワクチン、高齢者肺炎球菌ワクチン等の他のワクチンと同時接種が可能です。
ただし、生ワクチンについては、他の生ワクチンと27 日以上の間隔を置いて接種してください。